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2006年 09月 19日
小西豊治著
憲法「押しつけ」論の幻 講談社現代新書(2006年7月20日第一刷) は護憲派にとっては今後の必読書だ。 内容は、読んでいただかないと簡単には紹介できないが、 そこを何とか要約すると・・・ 「主権在民」 も 「象徴天皇」 も占領軍の最初の構想では明確ではなく、特に天皇の扱いには占領軍も苦慮していた。 そこに、在野の「憲法研究会」(鈴木安蔵他7名)が早くも1945年12月に「憲法草案要綱」を首相官邸に提出し記者団に発表した。 その中では、「主権在民」 や 「象徴天皇」 が明確に位置づけられており、この内容は占領軍も度肝を抜く内容であった。 政治顧問アチソンは、本国に緊急の書簡を送り、その衝撃を伝えているという。 これが、その後マッカーサーが、「国体護持」で煮え切らぬ政府に、「推しつけた」とされる、憲法の骨子となっている。 鈴木安蔵は明治・自由民権運動の論客・植木枝盛(土佐)を、家永三郎よりも早く研究していた第一人者であり、「主権在民」 も 「象徴天皇」 も植木枝盛が著した「東洋大日本国憲按」や植木枝盛が原案を書いたと言われる土佐立志社の「国憲按」で打ち出されていたものである。 著者・小西豊治氏は、「主権在民」 「象徴天皇」のルーツが植木枝盛の国憲按にあり、占領軍で憲法制定に深く関わった弁護士出身のラウエルやノーマンも、鈴木安蔵の論に影響されてか、あるいは独自の視点からか植木枝盛を研究していたことを解き明かしてゆく。 そして、「主権在民」 も 「象徴天皇」も、日本人民の叡智であることを論証して行くのである。 これは、必読である。 ************** 明るい日本の未来の為に! 人気blogランキングへクリックを!
by jcpmetal
| 2006-09-19 01:19
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